玖莉緒の推し語り

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【感想】「悪虐聖女ですが、愛する旦那さまのお役に立ちたいです。(とはいえ、嫌われているのですが)」とにかく可愛い!わんこ系ヒロインと重厚なストーリーがコミカルに展開する話が好きな人におススメの本!

悪虐聖女ですが、愛する旦那さまのお役に立ちたいです。(とはいえ、嫌われているのですが)

「私、あなたに一目惚れいたしました!」

「俺は君のことを憎んでいる。我が妻シャーロット」

記憶を失った稀代の悪虐聖女(中身残念系わんこ)の妻に、監視役の不器用な天才魔術師が絆されていくハイテンション・ラブコメディ!

 

 

『悪虐聖女ですが、愛する旦那さまのお役に立ちたいです。(とはいえ、嫌われているのですが)』作者:雨川 透子 

 

小説家になろうで連載している、異世界ファンタジーの一作品。

私は作品にドはまりすると、その作家さんの他の作品を全部読みだすタイプの人間なのですが、なぜだか最後まで手を出さなかった今作。2か月ぐらい前にようやく読んで、早く読んでおけばよかった!と後悔しまくるぐらい良作です。

あまり読まなかった、ヒーローが絆されていく話もめちゃくちゃ面白いじゃん!と新しい扉を開かせていただきました。ありがとう、雨川先生!

私が良かった!と思った点をまとめますので、購入を考えている方はぜひ参考にしてみてください!

良かった点①:「ヒロインがとにかくめちゃくちゃかわいい!!」

この作品のヒロイン、シャーロットは聖女です。それもとても力の強い最強聖女様として国を支えておりました。しかし、シャーロットは『稀代の悪虐聖女』としておそれられるくらいの悪女。戦争で負傷した兵士に治療を懇願させるも、結局癒しは施さず玩具のように見捨てたりなど悪の道を楽しんでおりました。

しかし、それを看過できなくなった国は、唯一彼女の力を抑えられる天才魔術師にオズヴァルトに彼女の力を封印し、婚姻という形をとり監視をさせることを命令します。

そして彼女の力を封印し、その衝撃で記憶を失ったシャーロットが目を覚ましたところから物語がスタートします。

記憶喪失のシャーロットは、目を覚ましてオズヴァルトに一目惚れをしてしまうのですが、今までの悪虐の限りを尽くしていた彼女とは魂が入れ替わったのか!?というぐらい全く違う性格になってしまいます。

が、それが本っっっ当に、可愛い!!

ご主人様(オズヴァルト)が帰ってくれば、足音を聞きつけ部屋の扉の前で待ち、扉が開けば大喜びで彼の周りをぐるぐるぐるぐる。

そして、彼女の持ちうるすべての語彙力を使い、全力でご主人様をほめたたえ全力で好き好き好き!とアピール。

その勢いに困ったご主人様が、「待て(ステイ)」といえばぴたりと止まり、お利口ムーブをかましてくる始末。

まさにわんこ系残念聖女がめちゃくちゃかわいいのです!!

しかも、シャーロットの外見は金髪碧眼の美人系。プロポーションも抜群でダイナマイトボディ。

そんな美しい女性が自分に向かって屈託もなく笑い、一生懸命大好き!と伝えてくる生活でオズヴァルトが絆されていくのもしょうがないかなと思いました。

良かった点②:「重苦しいストーリー設定なのにコミカルなのがよい!」

ここまででヒロイン、シャーロットが如何に可愛いかをお伝えしていきました。

ですが、この作品を紹介したい理由はキャラクターの魅力だけではないのです。

実は私は、絆され系の話はあまり得意ではありません。なぜならば絆されていく事柄に、共感することが難しかったからです。

いやいや、そんな軽い理由や切っ掛けで蛇蝎のごとく嫌ってた相手を好きになるか?と自分の物差しで判断をし、首をかしげることが多くストーリーに没入することがあまりできませんでした。

しかしながらこの『悪虐聖女』は大体の読み手が、あーこれなら絆されるわ・・・納得できる理由を丁寧に書ききっており違和感を持つことなく共感しながら読むことが出来ます!

共感できる理由として、詳しくはネタバレになるので控えますが、ヒロインのシャーロットとヒーローのオズヴァルトを取り巻く環境はとても重苦しいものです。

一歩間違えれば陰鬱なお話になりそうですが、大好きな旦那様を360度美しく見たい欲求にかられたシャーロットが燭台で彼を囲おうとしたり、暴走する彼女を止めるために「わんこの躾の教本」を部下に借りてお勉強をするオズヴァルトなど、始終コミカルな展開で進むストーリー。

これぞ、笑いあり涙ありという言葉を捧げるにふさわしい作品だと思います。

(更に先入観で読むことを控えていた自分をぶん殴ってやりたくなる気持ちにさせられました。)

まとめ

『「悪虐聖女ですが、愛する旦那さまのお役に立ちたいです。(とはいえ、嫌われているのですが)」』は、可愛いわんこ系ヒロインが好きな方、ラブコメが好きな方にお勧めの作品です。また、絆され系に苦手意識を持っている方にも見方が変わる素敵な作品だと思います。

現在、小説一巻、コミカライズ一巻発売されています。(2023/6時点)

小説の表紙にて、オズヴァルトが困った顔してるのめちゃくちゃ好きです!

そして、コミカライズはシャーロットが可愛いのはもちろんなのですが、ホントにナイスバディで描かれています。どことは言いませんが、非常にいい形でした。そして、心底困惑顔の美形男子オズヴァルトも一見の価値があり!

更に、小説家になろうでは第一部が終わり、しばらく更新が止まっていたので、もっとあれこれ掘り下げてほしいと思っていたけど完結かな?と残念に思っていましたが、現在第ニ部が始動しております。気になっていたアレコレが紐解かれていくのでしょうか!?

キャラクター設定とストーリーが秀逸すぎて、今後の展開にも期待大な本作品。

ぜひ興味を持っていただけたら嬉しいです!