【感想】「悪虐聖女ですが、愛する旦那さまのお役に立ちたいです。(とはいえ、嫌われているのですが)」とにかく可愛い!わんこ系ヒロインと重厚なストーリーがコミカルに展開する話が好きな人におススメの本!
「私、あなたに一目惚れいたしました!」
「俺は君のことを憎んでいる。我が妻シャーロット」
記憶を失った稀代の悪虐聖女(中身残念系わんこ)の妻に、監視役の不器用な天才魔術師が絆されていくハイテンション・ラブコメディ!
『悪虐聖女ですが、愛する旦那さまのお役に立ちたいです。(とはいえ、嫌われているのですが)』作者:雨川 透子
私は作品にドはまりすると、その作家さんの他の作品を全部読みだすタイプの人間なのですが、なぜだか最後まで手を出さなかった今作。2か月ぐらい前にようやく読んで、早く読んでおけばよかった!と後悔しまくるぐらい良作です。
あまり読まなかった、ヒーローが絆されていく話もめちゃくちゃ面白いじゃん!と新しい扉を開かせていただきました。ありがとう、雨川先生!
私が良かった!と思った点をまとめますので、購入を考えている方はぜひ参考にしてみてください!
良かった点①:「ヒロインがとにかくめちゃくちゃかわいい!!」
この作品のヒロイン、シャーロットは聖女です。それもとても力の強い最強聖女様として国を支えておりました。しかし、シャーロットは『稀代の悪虐聖女』としておそれられるくらいの悪女。戦争で負傷した兵士に治療を懇願させるも、結局癒しは施さず玩具のように見捨てたりなど悪の道を楽しんでおりました。
しかし、それを看過できなくなった国は、唯一彼女の力を抑えられる天才魔術師にオズヴァルトに彼女の力を封印し、婚姻という形をとり監視をさせることを命令します。
そして彼女の力を封印し、その衝撃で記憶を失ったシャーロットが目を覚ましたところから物語がスタートします。
記憶喪失のシャーロットは、目を覚ましてオズヴァルトに一目惚れをしてしまうのですが、今までの悪虐の限りを尽くしていた彼女とは魂が入れ替わったのか!?というぐらい全く違う性格になってしまいます。
が、それが本っっっ当に、可愛い!!
ご主人様(オズヴァルト)が帰ってくれば、足音を聞きつけ部屋の扉の前で待ち、扉が開けば大喜びで彼の周りをぐるぐるぐるぐる。
そして、彼女の持ちうるすべての語彙力を使い、全力でご主人様をほめたたえ全力で好き好き好き!とアピール。
その勢いに困ったご主人様が、「待て(ステイ)」といえばぴたりと止まり、お利口ムーブをかましてくる始末。
まさにわんこ系残念聖女がめちゃくちゃかわいいのです!!
しかも、シャーロットの外見は金髪碧眼の美人系。プロポーションも抜群でダイナマイトボディ。
そんな美しい女性が自分に向かって屈託もなく笑い、一生懸命大好き!と伝えてくる生活でオズヴァルトが絆されていくのもしょうがないかなと思いました。
良かった点②:「重苦しいストーリー設定なのにコミカルなのがよい!」
ここまででヒロイン、シャーロットが如何に可愛いかをお伝えしていきました。
ですが、この作品を紹介したい理由はキャラクターの魅力だけではないのです。
実は私は、絆され系の話はあまり得意ではありません。なぜならば絆されていく事柄に、共感することが難しかったからです。
いやいや、そんな軽い理由や切っ掛けで蛇蝎のごとく嫌ってた相手を好きになるか?と自分の物差しで判断をし、首をかしげることが多くストーリーに没入することがあまりできませんでした。
しかしながらこの『悪虐聖女』は大体の読み手が、あーこれなら絆されるわ・・・納得できる理由を丁寧に書ききっており違和感を持つことなく共感しながら読むことが出来ます!
共感できる理由として、詳しくはネタバレになるので控えますが、ヒロインのシャーロットとヒーローのオズヴァルトを取り巻く環境はとても重苦しいものです。
一歩間違えれば陰鬱なお話になりそうですが、大好きな旦那様を360度美しく見たい欲求にかられたシャーロットが燭台で彼を囲おうとしたり、暴走する彼女を止めるために「わんこの躾の教本」を部下に借りてお勉強をするオズヴァルトなど、始終コミカルな展開で進むストーリー。
これぞ、笑いあり涙ありという言葉を捧げるにふさわしい作品だと思います。
(更に先入観で読むことを控えていた自分をぶん殴ってやりたくなる気持ちにさせられました。)
まとめ
『「悪虐聖女ですが、愛する旦那さまのお役に立ちたいです。(とはいえ、嫌われているのですが)」』は、可愛いわんこ系ヒロインが好きな方、ラブコメが好きな方にお勧めの作品です。また、絆され系に苦手意識を持っている方にも見方が変わる素敵な作品だと思います。
現在、小説一巻、コミカライズ一巻発売されています。(2023/6時点)
小説の表紙にて、オズヴァルトが困った顔してるのめちゃくちゃ好きです!
そして、コミカライズはシャーロットが可愛いのはもちろんなのですが、ホントにナイスバディで描かれています。どことは言いませんが、非常にいい形でした。そして、心底困惑顔の美形男子オズヴァルトも一見の価値があり!
更に、小説家になろうでは第一部が終わり、しばらく更新が止まっていたので、もっとあれこれ掘り下げてほしいと思っていたけど完結かな?と残念に思っていましたが、現在第ニ部が始動しております。気になっていたアレコレが紐解かれていくのでしょうか!?
キャラクター設定とストーリーが秀逸すぎて、今後の展開にも期待大な本作品。
ぜひ興味を持っていただけたら嬉しいです!
【感想】「誤解された『身代わりの魔女』は、国王から最初の恋と最後の恋を捧げられる」最上級のイケメンヒーローが己の過去を激しく悔い、ヒロインの愛を切望するシチュが好きな人におススメの本!
「好きで、好きで、大好きで。この人には傷一つ、苦しみ一つ与えたくないという思い。ーーそれが、『身代わりの魔女』の始まりじゃないかしら。」
「……君が私への思いを忘れても、私はずっと君を愛するし、必ず君を取り戻すから」
初恋の人を一途に思い続けた幼い魔女に恋した王が、己の行いに深く後悔し長い長い片思いの末、魔女を溺愛するラブストーリー
『誤解された『身代わりの魔女』は、国王から最初の恋と最後の恋を捧げられる 』作者:十夜
以前に、大好きなシチュエーションの一つとして、いい男が好きな子を追いかけまわすのが大好き!とお伝えしたことがあります。
それと同じぐらい大好きなシチュが、『己の行いに、死ぬ程後悔するヒーロー』というのがあります。加えてヒーローの過去の行いにより、好きな子の気持ちが離れているとより大好きなのですが、まさにこの作品は私のキュンポイントをすべて網羅しています!ありがとうございます!十夜先生!
私が良かった!と思った点をまとめますので、購入を考えている方はぜひ参考にしてみてください!
なおおすすめポイントをお伝えするうえで、今回は少し1巻の内容のネタバレを含みます。ご注意ください。
良かった点①:「ヒーローが、激しく後悔する様がよい!」
この作品のヒーロー、フェリクスは一国の王様です。『虹の女神』という女神信仰が根強い国の第一王子に生れ落ちます。詳細は省きますが、女神に愛されている証拠を持たなかった幼き頃のフェリクスは父である王や、母たる王妃に冷たくされ、不遇な少年時代を過ごします。そんな彼に一目惚れをした『身代わりの魔女』たる他国の王女、ルピア。彼女の身を削る献身により、状況は大きく改善。フェリクスは先王をはじめ周囲に認められ、親和的な王として立派に国を治め、ルピアを娶るところから物語はスタートします。
政略結婚という形での婚姻でしたが、一途に彼を思う、世の中の良いものを全部に詰めたようなルピアにほだされた彼は、ゆっくりと愛をはぐくんでいきます。
ルピアは幼いころ、とある夜会でフェリクスに一目惚れをし、その後魔女の能力を使ってフェリクスの生活を見て彼の事は何でも知っている状態ですが、フェリクスは普通の人間。
ルピアが『身代わりの魔女である』ということ、『フェリクスことを夢でみていた』ということをあらかじめ話しますが、フェリクスは夢見がちな女の子の言葉遊びの一環と思っておりました。
そして、様々な不幸な要因が起こり誤解してしまったフェリクスに、ルピアは冷たくされてしまうようになります。
そして、自分の気持ちは彼のためにならないと悟ったルピア。魔女の幼い恋心を捨てるため長い長い眠りにつきます。
これが1巻の流れとなります。1巻のラストは本当につらかった。
ルピアが可哀そうだと思いましたが、フェリクスだけが全面的に悪いわけではないと断言できます。当時のフェリクスでは、今までの人生で培われた常識、価値観、すべてが、愛する妻のいうことでも信じ切ることはできないでしょう。この辺りは現実世界でもよくあるボタンのかけ違いによる誤解だと思います。
ただそれによって、真実を知って激しく後悔するフェリクスがたまりません!
彼女が言葉が少なく、お願いなどはあまりしてこない控えめな性格に気づいていたのに、彼女が眠りにつく前に真実に気づけるピースはいくらでもあったのに、と眠るルピアの傍で彼は長い長い間苦しむことになるのです。
最高な展開をありがとうございます!!1巻を拝読した後、何度ルピアが目覚めるまでの間の話のWeb版を繰り返し読んだかわかりません。マジで最高です。
良かった点②:「愛する妻のために変わっていくヒーローがよい!」
ここまでで、ヒーローが激しく後悔する本作がいかによいかをお話しました。
これだけでも、私としては性癖にぶっ刺さる垂涎の作品ですが、
本作の見どころは、ヒーローの様変わりもだ!
ということをお伝えします。
ヒロインであるルピアは、負の感情を表に出し誰かを傷つけることがとても苦手です。愛する人の傷を肩代わりする、身代わりの魔女の性質の一つなのかとは思いますが、自分が飲み込めばOK!と思い、そ飲み込むことでストレスを感じることはないようです。むしろ誰かを攻撃することの方がストレスを感じるタイプ。
生家では、彼女の能力、性格ごとひっくるめて溺愛され、真綿を包むように守られてきたのでしょう。
しかし、嫁いだ先は他国。彼女の事を知らない他人だらけとの生活になります。まさか、一国の王女が腹芸一つできないとは思わないでしょう。
だからこそ、後悔に苛まれるフェリクスは、唯一と決めた彼女を守るため『ルピアに優しい国』を作り上げようと努力をします。
進化の話をよく聞く親和的な王から、己の決定には断固として文句を言わせない威圧的な王となるシーンがとても印象的でした。大好きだったシーンに喜久田ゆい先生のイラストが付き感無量です!
そして、目覚めた妻ルピアに対して一生懸命求愛するフェリクスの姿もたまりませんね。
まとめ
『誤解された『身代わりの魔女』は、国王から最初の恋と最後の恋を捧げられる』は、後悔×執着な拗らせヒーローが好きな人にお勧めの作品です。
現在、小説は二巻発売されてコミカライズも予定しています(2023/6時点)。
特に第二巻は、書下ろしが半分を占めていて、ルピアを大切に思う人たちVSフェリクスの話もあり、Web版だけ読んでいる人は絶対に読んでほしい!!と思う本作品。
ぜひ興味を持っていただけたら嬉しいです!
【感想】「悪党一家の愛娘、転生先も乙女ゲームの極道令嬢でした。~最上級ランクの悪役さま、その溺愛は不要です!~」最上級ランクのイケメンヒーローが美少女ヒロインに振り回されるシチュが好きな方にオススメの本!
「可愛いな、フランチェスカ。愛しているから、どうか俺を退屈させないでくれ」
「私は、あなたが悪党だろうと絶対に見捨てない」
ゲームの世界に転生した前世裏社会勢力の孫娘が普通の人生を歩むべく奮闘しているうちに、最上級ランクの悪役ヒーローに執着されてしまったラブストーリー
『悪党一家の愛娘、転生先も乙女ゲームの極道令嬢でした。~最上級ランクの悪役さま、その溺愛は不要です!~ 』作者:雨川 透子
小説家になろうで連載している、転生悪役令嬢の一作品。
雨川先生の書籍化シリーズ最新作(※2023年5月時点)です。
雨川先生の作風として、シリーズ序盤はヒーローのデレ行動が非常ソフトで、時にわかりずらい印象を持っていたのですが、本作は1巻目にもかかわらずすごいデレ度!
元々ハイスペックヒーローがヒロインに振り回され、転がり落ちる展開が大好きなので、読み終えた時は、待ってました!と手を叩いて喜んだくらいでした。
私が良かった!と思った点をまとめますので、購入を考えている方はぜひ参考にしてみてください!
良かった点①:「最上級悪役様がヒロインに、転がり落ちる様がよい!」
この作品のヒーロー、レオナルドは主人公の世界でゲームのラスボス役。
裏社会の男たちを題材にしたゲーム内で、あるファミリーの当主として圧倒的な力の差を見せつけ、邪魔なヒロインを舞台から排除しよう暗躍するキャラクターです。
なので、序盤は甘ったるい口説き文句をヒロインに向けながらも、行動の意図が見えず、あー、こいつ悪いことやってんだろうなぁ。と思わせるキャラクターでした。
しかしながら、ヒロインのまっすぐで仁義あふれる行動により、すってんころりんと落ちていく様が見事に書かれており、
おめでとう。君もフランチェスカに振り回される一人の男だ!とサムズアップをしたほどでした。
特に終盤辺りでの、彼の思惑、行動の意図が過去の話から紐解かれていくところは涙なしには読むことはできません。
圧倒的強者であることを理解しており、他人の思いを利用する側だと思っているレオナルドが、弱者だと思っていたフランチェスカを大切な唯一の人と定めて、彼女を守るために行動を始めるところは、何度読んでも心に響きます。
良かった点②:「ヒロインのフランチェスカが一番のイケメン!」
ここまでで、如何に悪役ヒーローの転がり落ちる様を描いた本作がよいかをお話しました。
これだけでも、私としては性癖にぶっ刺さる垂涎の作品ですが、
ヒロイン、フランチェスカがイケメンすぎてやばい!
ということをお伝えします。
フランチェスカの前世は、極道一家の孫娘だったため、友達が一人もできませんでした。今世こそ友達を作り普通の女の子として人生を謳歌したい彼女は、普通の人生を歩むために、ゲームのシナリオから逃げようと画策します。
ここで、フランチェスカかっこいいポイントその①!
シナリオから逃げるけど、逃げることで発生する他人への被害は最小に食い止めようと行動するところです。
フランチェスカは前世、極道一家の孫娘でした。彼女の中にある基本信念として「悪党は一般人に迷惑をかけてはならない。」といった祖父から教わった極道の仁義があります。
もし主人公のフランチェスカが、シナリオから逃げることで、誰かが不幸になったとしたら?
その不幸の責任は逃げた自分にあり、その不幸を未然に防ごうとします。
そしてフランチェスカかっこいいポイントその②!
悪党だって見捨てない男気を持っている!ということです。
彼女は今世がゲーム内の世界で、悪役はレオナルドだと知っていました。しかし、友達になってくれたレオナルドと行動することで、自分の目で見た彼と、ゲーム内の彼が全く違う人に見えます。
彼の行動の裏側に、自分への思いやりと優しさを感じ、ゲームの彼とは違うと判断したフランチェスカ。
「私は、あなたが悪党だろうと絶対に見捨てない」といって、絶対にレオナルドの手を離しませんでした。
極道の仁義と男気溢れるフランチェスカ。誰よりも極道に染まっているのに、まっすぐで無邪気な彼女の行動に、今世の父親、世話役、婚約者が溺愛していくのがたまりません。
正直、メインヒーローは主人公フランチェスカと言っても過言ではないと思います。
カッコいい女性キャラクター好きにもたまらない一作です。
まとめ
『悪党一家の愛娘、転生先も乙女ゲームの極道令嬢でした。~最上級ランクの悪役さま、その溺愛は不要です!~』は、カッコイイヒロインにハイスペックヒーローが転がり落ちる様を読みたい人にお勧めの作品です。
現在、小説は第一巻発売されて5月15日にコミカライズの発売を予定しています(2023/5時点)。
雨川先生の作品はバトルシーンなどの動きがある場面が多く、コミカライズでもバトルシーンを見事に描かれております。
小説家になろうでは、第二部の途中までが連載中で、ヒーローのレオナルドの執着溺愛が青天井。にやにやが止まりません!
ハイスペックヒーローとかっこいいヒロインが織りなす物語は、一巻だけでもとても読みごたえがある本作品。
ぜひ興味を持っていただけたら嬉しいです!
【感想】「破局予定の悪女のはずが、冷徹公爵様が別れてくれません!」他人に冷徹なヒーローが必死にヒロインを追いかけまわすシチュが大好きな人にオススメの本!
「どうしてこんなにかわいいんだろうな」
「絶対に別れてなんてあげないよ」
転生した世界で物語を進めるために、弄んでこっぴどく振る予定のヒーローに溺愛される追いかけっこラブストーリー
『破局予定の悪女のはずが、冷徹公爵様が別れてくれません!』作者:琴子
小説家になろうで連載している、転生悪役令嬢もの一作品。
私は一番好きなシチュエーションが、「ハイスペックヒーローが必死になってヒロインを追いかけまわす」ことなんですが、
この作品は見事にそのツボをついてきました!
私が良かった!と思った点をまとめますので、購入を考えている方はぜひ参考にしてみてください!
良かった点①:「ハイスペックヒーローがマジで必死すぎる!」
この作品のヒーローは主人公の世界で小説の中のヒーロー役。
家庭内や周囲の環境で冷徹な対応をする彼は、一度悪役令嬢であるグレースに心を開きお付き合いします。
グレースは超絶美しい顔面と魅惑のボディを持つ絶世の美女ですが、その内面は強欲で男好き。一度手に入れたものはすぐに飽きてポイ捨てをしてしまいます。
それはヒーローゼインも同じで、グレースにこっぴどく振られてしまい、その傷を小説のヒロインに癒してもらうストーリーでした。
グレースに転生した彼女は、二人が恋に落ちてヒロインの聖女の能力が覚醒しなければ、隣国と戦争が起き、自身も死んでしまうことがわかっているため、舞台装置としての役割を果たすことを決めます。
ですが、貧乏性で男性経験のない彼女。何とか恋人の地位におさまりつつも、変なアプローチがさらに空回りしてしまいます。
それがゼインの好みにぶっ刺さってしまい、あっという間に虜にしてしまいました。
戸惑いつつも、結果オーライと判断したグレース。次の段階に進むために彼女は浮気を装い、彼に別れを告げます。
ショックに打ち震えるゼインをヒロインが慰める、二人が出会うシーンが続くはずが、そうは問屋が卸さない!
なんとゼインは、「絶対に別れてなんてあげないよ」とそれを拒否!
何なら物語の正当なヒロインを無視して悪女グレースを追いかけまわすように!
言葉で別れてくれないなら!と、グレースは物理的に離れるため、彼に内緒で遠い場所に引っ越しすることを決行します。
しかし、何度逃亡を図っても、その逃亡先にしれっと居るゼイン。
マジでストーカー一歩手前ですね!
どうしてこうなった!?と困惑するグレースとゼインの追いかけっこがコメディタッチで描かれておりサクサク読めておもしろいです。
良かった点②:「残念なヒロイン、グレースが可愛い!」
ここまででハイスペックヒーローの必死さが如何に心に響くかをお話しました。
これだけでも、私としては性癖にぶっ刺さる垂涎の作品ですが、
ヒロイン、グレースだって残念でかわいい!
ということをお伝えします。
本来小説のグレースは、人道に反する発言、行動を繰り返すやべぇ女ですが、舞台装置となりきるために転生した彼女は、それに必死に習おうとします。
しかしながら、彼女は元々の心根がとてもやさしく、家庭環境もありとても貧乏性。
例えば、すぐに元の世界の貨幣価値を換算し、湯水のごとくお金を使える状態なのにもかかわらず「1杯2000円!?無理!」といった感じで、なるべく質素な生活を好みます。
そんな彼女は、小説の悪女とは正反対の存在です。
結論として、彼女が必死に強欲悪女ムーブをしようとしても、上手くいくわけもなく。
グレースを信用していなかった頃のゼインが、彼女の真意を探るためわざと迫ってみると、泣き出す始末です。
結果、ゼインだけに初心なムーブをかますという高等テクニック風で、彼を見事に陥落。
また、今までのやべぇ女から普通の残念な女性に変わったことにより周囲の人たちへの好感度も爆上がり。
愛されヒロインとして、立場を確立します。
やはり、愛されているヒロインは読んでて楽しいです。
特に前世のこともあり、今世ではゼインに愛されつつ幸せに生きてほしい。そう思えるヒロインです。
まとめ
『破局予定の悪女のはずが、冷徹公爵様が別れてくれません!』は、ヒーローが必死になるシチュ好きには全力でおすすめしたい作品です。
現在一巻発売されて、5月15日に第ニ巻の発売を予定しています(2023/5時点)。
小説家になろうでは、おそらく次巻の内容まで公開されています。
作者:琴子先生はヤンデレヒーローが好きと公言なさっており、他の作品も執着度ましましのヤバイヒーローがわんさかいますが、この作品は比較的マイルドな執着ヒーローです。
強めの執着心を持つヒーローがお好きな方にはぜひ手に取っていただきたい一作品。
ぜひ興味を持っていただけたら嬉しいです!
【感想】「悪役の王女に転生したけど、隠しキャラが隠れてない。」重すぎる溺愛ヒーロー好きにオススメの本!
「死ぬ前にオレが殺してあげる」
「お兄ちゃんにだったら、ころされてもいいよ」
虐げられた王女と孤独なアサシンの偏愛・執着ラブストーリー
『悪役の王女に転生したけど、隠しキャラが隠れてない。』作者:早瀬黒絵
小説家になろうで連載していた(現在続編を連載中)、転生悪役令嬢もの一作品。
私は溺愛ヒーローものが大好きでかなり読んでいます。
そういった愛され系主人公のお話は数ありますが、この作品は特に良いです。
私が良かった!と思った点をまとめますので、購入を考えている方はぜひ参考にしてみてください!
良かった点①:「しんどいぐらい溺愛するヤンデレヒーロー」
この作品のヒーローはトップクラスの暗殺者です。
やはり優秀な暗殺者である彼は心の機微に疎く、自分が興味がある物しか心を動かされない特徴があります。
出会いは、クーデターを起こす直前に潜入捜査をしているヒーローと、色狂いの王様の落胤であるヒロインが後宮の片隅で出会うところから始まります。
ヒロインは、王様が側室でもない使用人に手を出したことで生まれた子供で王妃やその子供たちに虐待される彼女はみすぼらしい小屋で寝起きし、食事はごみ箱を漁り、井戸から水を汲み桶に顔を突っ込んで飲むという生活。
そんな生活の中、隠密スキルを使い潜入していたヒーローをヒロインが発見するところから始まります。
今まで気配以外で見破られたことがない隠密スキルを子供に見破られたことで、彼女に一気に興味が出るヒーロー。
ヒロインは、私たちの現代社会で生きていた女の子でゲームだったこの世界をプレイヤーとして遊んでおりました。
ですが、ヒーローはファンディスクのキャラクターであるため、メインの作品しかプレイしたことがない彼女は、そういえばファンディスクでこういったキャラが出るなといった彼の設定とキャラクターデザインぐらいしか知りません。
なるべく攻略対象と接しないように興味が出ないように普通に対応する彼女の無垢な対応に、ヒーローは心を惹かれ、執着心が強く出てきます。
そのやばいぐらい重たすぎる執着が良い!
好きなものは宝箱にしまっておきたいタイプの彼は、5歳のヒロインと出会い、16歳になったら彼女と結婚して家に軟禁して生活する計画を立てます。
そのために、ヒロインを溺愛し自分に執着させるように仕組み、彼女の傍にいるため今までの暗殺生活を一身。
「死ぬ前にオレが殺してあげる」など中々にヤバイセリフが多く、ヤンデレヒーロー好きにはたまらないキャラです。
良かった点②:「ヒロインだってなかなかに執着してる」
ここまででヒーローの執着心がかなりやばいという事を語ってきました。
それだけだったら、他にもありますがこの作品の特筆すべき点としては、
ヒロインだってヒーローに負けないぐらいの執着です!
彼女は、ゲームの悪役令嬢だった自分を知っています。
執着心が身を亡ぼした悪役令嬢だった自分ですが、周囲の環境のおかしさを客観的に分析できとても冷静なキャラクターです。
なるべく攻略対象にはかかわらない様にしようとしますが、過酷な人生の中で、生まれて初めて触れたやさしさ、転生前に受けていたあたたかな温もりを思い出したヒロインは、出会って早々ヒーローを唯一と決め、彼だけに執着します。
互いが互いに依存しあう二人の関係が特に素晴らしく、引き込まれていきます。
良かった点③:「周りもヒロイン大好き!」
ヒーローとヒロインはお互いしか見ていないため、他の攻略対象には親愛・友愛の気持ちしかありません。
そして、ヒロインはゲーム内で起こった理不尽な展開に疑問を持ち、ハードモードすぎない?と冷静に突っ込みを入れています。
転生しているせいか実年齢よりもはるかに大人びた雰囲気のヒロイン。
地に足がついた考え方をし、一生懸命に今生を生きるヒロインに周囲は魅了されていきます。
最初ぎくしゃくしてたキャラ達とも仲良くなり、ゲームの悪役令嬢だった彼女のハードモードな人生とは全く違う穏やかな生活を送っている事にほっと安堵したことを覚えています。
まとめ
『悪役の王女に転生したけど、隠しキャラが隠れてない。』は、ヤンデレ好きには全力でおすすめしたい作品です。
また、冷静に考えればゲームの展開理不尽すぎない?といった現実世界とのギャップを指摘し、うんうんと納得させられる悪役令嬢ものの魅力をたっぷりと含んだストーリー。
現在三巻まで発売されて、6月に第四巻の発売を予定しています(2023/4時点)。
そして小説家になろうでは完結済みの今作品は続きが気になる!といった人も満足していただけるのではないでしょうか?
ぜひ興味を持っていただけたら嬉しいです!