玖莉緒の推し語り

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【感想】「誤解された『身代わりの魔女』は、国王から最初の恋と最後の恋を捧げられる」最上級のイケメンヒーローが己の過去を激しく悔い、ヒロインの愛を切望するシチュが好きな人におススメの本!

誤解された『身代わりの魔女』は、国王から最初の恋と最後の恋を捧げられる

「好きで、好きで、大好きで。この人には傷一つ、苦しみ一つ与えたくないという思い。ーーそれが、『身代わりの魔女』の始まりじゃないかしら。」

「……君が私への思いを忘れても、私はずっと君を愛するし、必ず君を取り戻すから」

初恋の人を一途に思い続けた幼い魔女に恋した王が、己の行いに深く後悔し長い長い片思いの末、魔女を溺愛するラブストーリー

 

 

『誤解された『身代わりの魔女』は、国王から最初の恋と最後の恋を捧げられる 』作者:十夜 

 

小説家になろうで連載している、異世界ファンタジーの一作品。

以前に、大好きなシチュエーションの一つとして、いい男が好きな子を追いかけまわすのが大好き!とお伝えしたことがあります。

それと同じぐらい大好きなシチュが、『己の行いに、死ぬ程後悔するヒーロー』というのがあります。加えてヒーローの過去の行いにより、好きな子の気持ちが離れているとより大好きなのですが、まさにこの作品は私のキュンポイントをすべて網羅しています!ありがとうございます!十夜先生!

私が良かった!と思った点をまとめますので、購入を考えている方はぜひ参考にしてみてください!

なおおすすめポイントをお伝えするうえで、今回は少し1巻の内容のネタバレを含みます。ご注意ください。

良かった点①:「ヒーローが、激しく後悔する様がよい!」

この作品のヒーロー、フェリクスは一国の王様です。『虹の女神』という女神信仰が根強い国の第一王子に生れ落ちます。詳細は省きますが、女神に愛されている証拠を持たなかった幼き頃のフェリクスは父である王や、母たる王妃に冷たくされ、不遇な少年時代を過ごします。そんな彼に一目惚れをした『身代わりの魔女』たる他国の王女、ルピア。彼女の身を削る献身により、状況は大きく改善。フェリクスは先王をはじめ周囲に認められ、親和的な王として立派に国を治め、ルピアを娶るところから物語はスタートします。

政略結婚という形での婚姻でしたが、一途に彼を思う、世の中の良いものを全部に詰めたようなルピアにほだされた彼は、ゆっくりと愛をはぐくんでいきます。

ルピアは幼いころ、とある夜会でフェリクスに一目惚れをし、その後魔女の能力を使ってフェリクスの生活を見て彼の事は何でも知っている状態ですが、フェリクスは普通の人間。

ルピアが『身代わりの魔女である』ということ、『フェリクスことを夢でみていた』ということをあらかじめ話しますが、フェリクスは夢見がちな女の子の言葉遊びの一環と思っておりました。

そして、様々な不幸な要因が起こり誤解してしまったフェリクスに、ルピアは冷たくされてしまうようになります。

そして、自分の気持ちは彼のためにならないと悟ったルピア。魔女の幼い恋心を捨てるため長い長い眠りにつきます。

これが1巻の流れとなります。1巻のラストは本当につらかった。

ルピアが可哀そうだと思いましたが、フェリクスだけが全面的に悪いわけではないと断言できます。当時のフェリクスでは、今までの人生で培われた常識、価値観、すべてが、愛する妻のいうことでも信じ切ることはできないでしょう。この辺りは現実世界でもよくあるボタンのかけ違いによる誤解だと思います。

ただそれによって、真実を知って激しく後悔するフェリクスがたまりません!

彼女が言葉が少なく、お願いなどはあまりしてこない控えめな性格に気づいていたのに、彼女が眠りにつく前に真実に気づけるピースはいくらでもあったのに、と眠るルピアの傍で彼は長い長い間苦しむことになるのです。

最高な展開をありがとうございます!!1巻を拝読した後、何度ルピアが目覚めるまでの間の話のWeb版を繰り返し読んだかわかりません。マジで最高です。

良かった点②:「愛する妻のために変わっていくヒーローがよい!」

ここまでで、ヒーローが激しく後悔する本作がいかによいかをお話しました。

これだけでも、私としては性癖にぶっ刺さる垂涎の作品ですが、

本作の見どころは、ヒーローの様変わりもだ!

ということをお伝えします。

ヒロインであるルピアは、負の感情を表に出し誰かを傷つけることがとても苦手です。愛する人の傷を肩代わりする、身代わりの魔女の性質の一つなのかとは思いますが、自分が飲み込めばOK!と思い、そ飲み込むことでストレスを感じることはないようです。むしろ誰かを攻撃することの方がストレスを感じるタイプ。

生家では、彼女の能力、性格ごとひっくるめて溺愛され、真綿を包むように守られてきたのでしょう。

しかし、嫁いだ先は他国。彼女の事を知らない他人だらけとの生活になります。まさか、一国の王女が腹芸一つできないとは思わないでしょう。

だからこそ、後悔に苛まれるフェリクスは、唯一と決めた彼女を守るため『ルピアに優しい国』を作り上げようと努力をします。

進化の話をよく聞く親和的な王から、己の決定には断固として文句を言わせない威圧的な王となるシーンがとても印象的でした。大好きだったシーンに喜久田ゆい先生のイラストが付き感無量です!

そして、目覚めた妻ルピアに対して一生懸命求愛するフェリクスの姿もたまりませんね。

まとめ

『誤解された『身代わりの魔女』は、国王から最初の恋と最後の恋を捧げられる』は、後悔×執着な拗らせヒーローが好きな人にお勧めの作品です。

現在、小説は二巻発売されてコミカライズも予定しています(2023/6時点)。

特に第二巻は、書下ろしが半分を占めていて、ルピアを大切に思う人たちVSフェリクスの話もあり、Web版だけ読んでいる人は絶対に読んでほしい!!と思う本作品。

ぜひ興味を持っていただけたら嬉しいです!