【感想】「破局予定の悪女のはずが、冷徹公爵様が別れてくれません!」他人に冷徹なヒーローが必死にヒロインを追いかけまわすシチュが大好きな人にオススメの本!
「どうしてこんなにかわいいんだろうな」
「絶対に別れてなんてあげないよ」
転生した世界で物語を進めるために、弄んでこっぴどく振る予定のヒーローに溺愛される追いかけっこラブストーリー
『破局予定の悪女のはずが、冷徹公爵様が別れてくれません!』作者:琴子
小説家になろうで連載している、転生悪役令嬢もの一作品。
私は一番好きなシチュエーションが、「ハイスペックヒーローが必死になってヒロインを追いかけまわす」ことなんですが、
この作品は見事にそのツボをついてきました!
私が良かった!と思った点をまとめますので、購入を考えている方はぜひ参考にしてみてください!
良かった点①:「ハイスペックヒーローがマジで必死すぎる!」
この作品のヒーローは主人公の世界で小説の中のヒーロー役。
家庭内や周囲の環境で冷徹な対応をする彼は、一度悪役令嬢であるグレースに心を開きお付き合いします。
グレースは超絶美しい顔面と魅惑のボディを持つ絶世の美女ですが、その内面は強欲で男好き。一度手に入れたものはすぐに飽きてポイ捨てをしてしまいます。
それはヒーローゼインも同じで、グレースにこっぴどく振られてしまい、その傷を小説のヒロインに癒してもらうストーリーでした。
グレースに転生した彼女は、二人が恋に落ちてヒロインの聖女の能力が覚醒しなければ、隣国と戦争が起き、自身も死んでしまうことがわかっているため、舞台装置としての役割を果たすことを決めます。
ですが、貧乏性で男性経験のない彼女。何とか恋人の地位におさまりつつも、変なアプローチがさらに空回りしてしまいます。
それがゼインの好みにぶっ刺さってしまい、あっという間に虜にしてしまいました。
戸惑いつつも、結果オーライと判断したグレース。次の段階に進むために彼女は浮気を装い、彼に別れを告げます。
ショックに打ち震えるゼインをヒロインが慰める、二人が出会うシーンが続くはずが、そうは問屋が卸さない!
なんとゼインは、「絶対に別れてなんてあげないよ」とそれを拒否!
何なら物語の正当なヒロインを無視して悪女グレースを追いかけまわすように!
言葉で別れてくれないなら!と、グレースは物理的に離れるため、彼に内緒で遠い場所に引っ越しすることを決行します。
しかし、何度逃亡を図っても、その逃亡先にしれっと居るゼイン。
マジでストーカー一歩手前ですね!
どうしてこうなった!?と困惑するグレースとゼインの追いかけっこがコメディタッチで描かれておりサクサク読めておもしろいです。
良かった点②:「残念なヒロイン、グレースが可愛い!」
ここまででハイスペックヒーローの必死さが如何に心に響くかをお話しました。
これだけでも、私としては性癖にぶっ刺さる垂涎の作品ですが、
ヒロイン、グレースだって残念でかわいい!
ということをお伝えします。
本来小説のグレースは、人道に反する発言、行動を繰り返すやべぇ女ですが、舞台装置となりきるために転生した彼女は、それに必死に習おうとします。
しかしながら、彼女は元々の心根がとてもやさしく、家庭環境もありとても貧乏性。
例えば、すぐに元の世界の貨幣価値を換算し、湯水のごとくお金を使える状態なのにもかかわらず「1杯2000円!?無理!」といった感じで、なるべく質素な生活を好みます。
そんな彼女は、小説の悪女とは正反対の存在です。
結論として、彼女が必死に強欲悪女ムーブをしようとしても、上手くいくわけもなく。
グレースを信用していなかった頃のゼインが、彼女の真意を探るためわざと迫ってみると、泣き出す始末です。
結果、ゼインだけに初心なムーブをかますという高等テクニック風で、彼を見事に陥落。
また、今までのやべぇ女から普通の残念な女性に変わったことにより周囲の人たちへの好感度も爆上がり。
愛されヒロインとして、立場を確立します。
やはり、愛されているヒロインは読んでて楽しいです。
特に前世のこともあり、今世ではゼインに愛されつつ幸せに生きてほしい。そう思えるヒロインです。
まとめ
『破局予定の悪女のはずが、冷徹公爵様が別れてくれません!』は、ヒーローが必死になるシチュ好きには全力でおすすめしたい作品です。
現在一巻発売されて、5月15日に第ニ巻の発売を予定しています(2023/5時点)。
小説家になろうでは、おそらく次巻の内容まで公開されています。
作者:琴子先生はヤンデレヒーローが好きと公言なさっており、他の作品も執着度ましましのヤバイヒーローがわんさかいますが、この作品は比較的マイルドな執着ヒーローです。
強めの執着心を持つヒーローがお好きな方にはぜひ手に取っていただきたい一作品。
ぜひ興味を持っていただけたら嬉しいです!